【ソロ登山】ビギナー向けソロ登山入門!持ち物は?注意事項は?ソロで100座登った女子ソロハイカーが対策を考えてみた【注意と対策】

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ソロ登山を始めてちょうど2年。沖縄の亜熱帯雨林から、アルプス、初雪後の八甲田まで合わせて約100座登りました、コニタンです。盛んに登る秋に筋肉がつくけど、積雪期はあまり登らないため筋肉を翌年に持ち越せずにいます。笑

さて、登山はほぼソロなのですが一言で言えば「魅力いっぱい、危険いっぱい」。自分なりの対策も行なっているので、今回はまとめてご紹介したいと思います!

※前提として無積雪期を対象としています。

登る山選びから登山計画の作り方まで、網羅的準備はコチラの記事をどうぞ。

持ち物の中でも救急セットの中身についてはコチラをどうぞ。

ソロ登山の魅力

なんといっても「自分のペースで、静かに山に浸れること」。どの山にいつ行くか、おやつに何を持っていこうか、登山中は休むも、トイレを探すも、誰にも気兼ねなく全てを決めることができます。

自分だけの世界が広がっています。

また、登山は「登りたい山」ではなく「レベルに合った山」に行くことが最重要。となると、なかなか自分のレベルと一緒で、ペースも一緒で、休日も一緒で、遠出もできる…なんて仲間はそうそう見つかりません。

こんな人には「ソロ登山」がお勧め

ソロ登山は、グループ登山での日程の調整など待たずして「思いついた時」に登山ができるので、

  • 高頻度で登山したいという人
  • 自分のペースで登りたい人
  • 山の静かさに浸りたい人
  • 一緒に登る仲間を探す時間が、既にもどかしい人
  • 日本百名山制覇など、攻略したい山がある人

などにお勧めです!ぜひ、山を決める段階から自分のペースで進める楽しさを満喫して欲しいですね〜!

ソロ登山の危険・注意点

もちろん、ただでさえ危険が伴うスポーツである登山を、さらに1人で全てやろうというのだから、危険がないはずありません。基本的には「登山に伴う全項目の危険がアップする」と思っていただいても良いくらいです。では具体的にどんな危険があるのでしょうか?

熊や猪との遭遇率がアップする

「自然動物の家にお邪魔する行為」である登山では、当然、動物との遭遇もありえます。その中でも熊や猪は大怪我、死亡につながる危険性もあります。

筆者が出会ったのはツキノワグマがほとんどです。

ちなみに私は4回熊に至近距離であったことがあります。1度目は登山口付近の道路上、2度目は尾瀬の山小屋でテントの前に。3〜4度目は蝶ヶ岳の山頂、テントの前で。つまり3000m近い山の山頂にも、麓にも、現れる時は現れるものです。ソロだと静かである分、遭遇率がアップします。

遭難率がアップする

「遭難」は道迷いだけのことではありません。ちょっとした踏み外しでの転落、捻挫や筋肉疲労での怪我、「自力で下山できないことは全て遭難」となります。グループなら助けを呼ぶ人、救助する人など分かれて助け合えることも、ソロだと誰にも気づかれずにひっそりと…なんてことも!?

荷物が増える

グループだと、食材やテントなど、嵩張るものを分けて運ぶことができますが、ソロは嗜好品も必需品も、全て自分で運ぶ必要があります。また、後述する「救急道具」など、ソロである分、もしもの時の備えを万全にするため、内容が多くなりがちです。

下調べが多い

登山ルートはもちろんの事、標高が高い山では10月ごろから登山口までの道路が冬季封鎖になっていたり、ゲートが早朝は開いていなかったり、交通情報も抜かりなく調べておく必要があります。

下山後の温泉、駐車場の広さ、マイカー規制、テント場や山小屋の営業情報、各種料金など…調べることはたくさん!グループならこちらも分担できますが、ソロだとそうはいきません。

女性版:男性からの声かけが多い

キャンプでもありがちな問題です。これは女性ハイカーに限った話ですが、ソロで登っていると男性からの声かけが多いです。ちょっとしたすれ違い際でのやり取りなら和むのですが、同じくらいのペースで同じルートだと何度も出会い、何度も話しかけられ、果てには駐車場でも捕まり時間を取られ…ということもあるかもしれません。「すみません〜、今日は1人を楽しんでいるので」など、はっきりと断る勇気を持ちましょう。でないと、せっかくのソロ登山がなんだかモヤモヤしたきもちを抱えることになってしまいます。その場だけの出会いです、ここははっきり言っちゃいましょう!

対策

クマ鈴は大きめが◯

一見単純な熊鈴ですが、サイズや材質が様々です。ソロにベストなモノは

  • 音が大きい
  • よく響く
  • 消音機能がある

というものです。登山道に人が多い時は良いですが、本当にひとりぼっちの時、山は想像以上に静かです。サイズは大きい方が音が大きく、材質については真鍮製が音がよく響くでしょう。その分うるさいので、小屋や駐車場、公共交通機関では音が鳴らない消音機能が付いているとベストです。ちなみに実際に私が使用している上記条件を備えた熊鈴はコチラ↓です

判断を分ける3つの柱

遭難リスクなどを少しでも下げるために、いつも自分に言い聞かせているのが『「体調」「天候」「装備」が1つでも欠ければ撤退を考える』です。あらかじめ、目安となる柱を決めておくことで、異常事態に面した時、より冷静な判断ができると考えています。

そして、自分の体調の異変や疲れにいち早く気付くために言い聞かせているマイルールが三つ。

  1. 躓きはじめたら、休憩を取る。
    →足が上がっていない証拠。疲れの前兆なので休憩をとる。次はもっと大きな怪我につながるぞ!と考えています。
  2. ソロ登山でも、会話できるほどの息を維持。
    →ソロだとついつい早足になったりもしますが、自分の限界を攻める登り方はいざという時の余裕がありません。会話できるほどの呼吸がちょうど良いですよ。
  3. 気分も体調のうち。
    →山頂を目指す予定だったけど(◯◯まで縦走する予定だったけど)「気分が乗らない」というのも「体調」の一部に含んでいます。

早めの判断が、命を左右します。その点、気分1つで進路を変えられるのはソロの特権ですね!

気分が乗らないから、と撤退できるのもソロの特権

とにかく早い時間に入山する

どんなに小さな山でも、朝8時までには入山し、かなり遅くても16時には下山完了・宿泊地到着しておきましょう。それに合わせて、登山計画時に既に下山時刻がギリギリとならないようにしましょう。もし計画でギリギリになってしまうのであれば、山のレベルを変更する必要があります。

山の日は傾くのが早い

先ほどの「早めの判断が、命を左右する」に通じますが。例えば山で怪我をした時、ルートを間違えた時、まだ森も明るいお昼前後だったなら、一旦頭を冷まして、時間がかかっても引き返したり、焦らずにより良い行動を取れる確率が高いです。これが14時以降の日が傾き始めた時間帯だったりすると、急がねばならないという焦りから、強行手段をとってしまって、余計ドツボにはまったり…。森は平地よりも早く暗くなります。時間がないという狭い視野になる状況を作らないためにも、ソロこそ早めの入山を心がけましょう。

どこにいるかGPSで知らせる人を決めておく

YAMAPなどのGPS地図アプリを使っている人も多いでしょうが、ソロであれば季節関係なくGPSで位置情報を知らせる人を決めておきましょう。ルートの整備された高峰よりも、慣れた低山で思わぬ遭難となることもあり得ます。救助で捜索範囲が絞れることはもちろんですが、もし遺体回収となってしまった場合も、遺族が何年も帰りを待ち続けることにならずに済みます。

私のおすすめはYAMAPのみまもり機能です。圏外でも使用できるので、電池の節約のためにスマートフォンは機内モードにしておきましょう。その際、Bluetoothをオンにするのを忘れずに!(Bluetoothを利用した機能です)

YAMAP みまもり機能

こまめな連絡

「登山計画を人に伝えておきましょう」とはよく言いますが、私の思うソロハイカーが連絡すべきポイントはいくつかあります。

  • 登山計画提出時
  • 登山中計画変更時
  • 下山時

まず、入山日、登山口やルートを示した登山計画を人に伝えるのが第一です。その後、上記の「GPSで知らせる人を決めておく」に通じますが、居場所をGPSで知らせている以上、ルートを外れていると逆に心配の対象になります(テント泊は特に)。山行中に変更が生じた場合は、できるだけ電波が入るうちに知らせておきましょう。また、普段から下山したら連絡をするようにしておけば、もしも何か起きて下山できない時に「下山したはずなのにいつもの連絡がない」と早期発見につながります。

事前に両替をしておく

言わずもがな登山中はチップで100円玉を多用します。また、山小屋で1万円を崩すのは迷惑になります。下山後の駐車場で1万円札しかなくてゲートの開かない夕暮れに1人…なんてことも。

忘れがちな両替、登山前に済ませておきましょう

紛失対策はダブルロックで

GPS地図として大活躍のスマホ、そして財布。このふたつは山でも出し入れする頻度が高い上に、なくすと一発で帰れなくなってしまいます。うっかり落として回収不能になってしまうことを防ぐために、ザックやサコッシュにカラビナで固定をしましょう。

筆者の登山財布とスマホケース

一見とてもダサいですが、背に腹は変えられません。ちなみに私のストラップ及び登山財布は100均です。笑

UL思考ではないですが、Dカン付きの財布だと固定がしやすいです。

スマホにストラップホールがないという方も多いと思いますが、このような商品もありますよ!

地図は2つ持つ

近年はスマホアプリの充実で、GPSマップのみで済ませる人も多いかと思います。ですが、スマホというのは電池切れや落下での故障、突然の雨での水没など100%稼働が保証されるものではありません。そこで、ジップロックに入れた紙地図なども用意しておきましょう。「山と高原地図」な防水製の高い加工がされた紙を利用しているので、濡れず嵩張らず、安心です。書き込みをする人はコピーした地図を持っていきましょう。

また、GPS地図は事前にダウンロードしておきましょう。登山口に着いてからだと、すでに圏外で見れなくなっていることが大半です。

もしもに備えた「修繕道具」「救急セット」は念入りに

アイテムの故障、筋肉疲労、捻挫、何があっても自分で荷物を抱えて下山することになるのがソロ登山。そのため、ちょっとやりすぎかな?くらいを持っていきます。私が心配性というのもありますが。^^;

参考に、一般的な救急ポーチに追加したい内容をコチラの記事でご紹介しています。

ちょっと寂しいかもという方は、テント場で知人と合流というのもあり!

別々のルートや山を楽しみ、山小屋やテント場で合流するという方法もあります!見知った顔と宿泊地で会うことで、ほっとするひとときを過ごせるのではないでしょうか?

積雪期はグループで

めちゃくちゃたくさんの注意をかきましたが、ソロはそれだけリスクが高いということです。ですので、さらに危険度が高い積雪期登山は観念して、グループで行くのが良いでしょう。

持ち物リスト

以上を踏まえての持ち物リストです。

個人差はありますので、あくまで参考のチェックリストです。コチラにご自身の必要なものを足して「出発前の確認」に利用ください。

【日帰り時】

  • 登山靴
  • 動きやすい行動着
  • ザック
  • ザックカバー
  • サコッシュ
  • レインウエア
  • 水筒
  • トレッキングポール
  • 熊鈴
  • ヘッドライト(電池式)
  • 予備電池
  • モバイルバッテリー
  • 紙地図
  • 筆記用具
  • 携帯電話・スマートフォン
  • ライター
  • ガスバーナー
  • クッカー
  • カトラリー
  • タオル
  • ティッシュ
  • ウエットティッシュ(使用後クッカーを拭く)
  • ジップロック(ゴミ袋や救急アイシングなどに使う)
  • サングラス
  • 日焼け止め
  • ご飯
  • 行動食
  • 救急ポーチ(いわゆるファーストエイド)詳しい中身はコチラ
  • 生理用品(女性のみ)
  • ホイッスル
  • 携帯トイレ
  • 防寒着
  • 軽アイゼン(雪渓などあれば)

【テント泊時】

  • テント
  • ランタン
  • シュラフ
  • マット
  • 就寝着
  • 物干しロープ(テント内で行動着を干す)
  • ボディシート(身体を拭く)
  • ゴミ袋
  • 防寒着

最後に

楽しい魅力もあるソロ登山ですが、山では皆が自分のことで精一杯だと念頭に置き、「自分のことを自分でこなす」ようにしましょう。山小屋はなんでも助けてくれるボランティアではありませんし、救助者にも家族がいます。

注意が多くなってしまいましたが、あの耳がキーンとするほど静かな山に「ひとりぼっち」の感覚、五感が研ぎ澄まされ、たくさんの生物の気配に囲まれる感覚、稜線に登ってブワッと視界が開ける感覚…。それらを思うままにできるソロ登山は最高です。

ぜひ減らせるリスクは減らして、楽しみましょう!

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